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CRAFTSMANSHIP

組紐の魅力

組紐は数本から数十本の糸束を交差させて組み上げていくことで作られます。立体的に構成される美しい組目は、表面に深い陰影を描きます。また職人の手わざによって糸がしっかりと打ち込まれることで、生地に独特の張りが出ます。職人の手で年間数千色にもおよぶ多彩な色に染め上げられた100%SILKの糸によって、色彩豊かな数多の柄を一筋の細い紐の中に表現します。一本のネクタイを作るのに一人の職人がまる2日をかけて、少しずつ組み上げていきます。組紐とは人の時間が結晶化したものなのです。

組む

古代より続く、糸を組み合わせて組織をつくる技術が3つあります。それは織る、編む、そして組む、です。この3つはそれぞれに異なる本質的構造を持っています。 組む、それは束ねた糸が斜めに走り、端部で折り返されジグザグにどこまでも長く伸びていきます。組む事によって作り出された紐、それを組紐と呼びます。

組むということ

それは果てしない反復の作業。 同じリズムで、同じ手加減で、はじめから終わりまで均質な紐を作り出します。 雨の日も、風の日も、ご機嫌な日も、不機嫌な日も、毎日変わらず組み続けなければなりません。 特に雑念は紐の出来栄えに大きく影響します。心を無にすることが大切なのです。

丸台

手染であること

糸染は組紐作りの最初の工程です。色糸はすべて道明の職人が一色一色染め上げます。 これにより、無数の色を自由に組み合わせて組紐を作ることが出来るのです。単色の組紐では、その一色の美しさを、いかに明確に、かつ深みを持って表現できるかということが大事です。 多色使いの組紐では、それぞれの色が持つ微妙な色相、彩度の違いが、全体の印象に大きく影響しますので、色と色との関係性が重要です。美しく、かつ適切な色に染められるかが、よい組紐作りの第一歩なのです。

いかに美しく

組紐の組方は数百種類にも及びますが、大きく分けると薄くて幅広の平組と、丸みを帯びて厚みのある断面の角組に分類されます。また、同じ組方の組紐であっても、手持ち(玉一つにつける糸の本数)、玉数の大小により繊細さが全く異なります。手持ちを増やして玉数を減らせば手間をかけずに早く組むことができますが、大振りで粗い組織の紐になってしまいます。 さらには色相、色数、柄置き(糸を並べる順番)の違いによって組紐はその意匠を様々に変化させます。多大なる労力をかけ無数の色の中から最適な組合せと置き方を見つけていきます。


唐組   奈良組   高麗組

冠組

笹波組の様々な柄出

組紐と環境

職人の手仕事による組紐づくりは当たり前のことではありますが、人間の呼吸以上の二酸化炭素を排出しません。おそらくこれ以上低炭素な仕事はないでしょう。一人の職人が一本ずつ順番に組み上げていくため生産性は低いですが、機械を動かすために莫大なエネルギーを消費することもなく、つくりすぎて大量廃棄することもない、非常にサスティナブルな製造工程なのです。道明の300年以上にわたる持続的なものづくりがそれを証明しています。