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Traditional Japanese Braiding

道明の組紐研究3 鞆渕組

2017.01.30

IMG_9693のコピー明治以降、日本各地に伝わる歴史的な組紐を求め、道明は和歌山県高野山 金剛峰寺(こんごうぶじ)に赴きました。

高野山の麓を流れる紀ノ川では中世の頃に空海が訪れ、彼が建てた真言宗の小屋を中心に詩と踊りが流行しました。全国から舞楽を踊る人間が集まるようになれば、衣装や染め物が必要になります。したがって紀ノ川一帯では染めや織物、組紐が栄えたと考えられます。
そうして、紀ノ川周辺にある、鞆渕八幡(ともぶちはちまん)神社、丹生都比売(にふつひめ)神社は神楽の中心地として栄え、それらを取り仕切っていた金剛峰寺には神楽の道具が多く収められていたと考えたからです。
金剛峰寺より鞆渕八幡神社を紹介され、国宝【沃懸地螺鈿金銅装神輿】に下げられていた総角の紐と出会います。これが鞆渕組(ともぶちぐみ)でした。1228年に石清水神社より贈られ、製作されてから700年以上が経過し、ボロボロに傷んでなお美しさを失っていないその姿には感激を覚えたと共に当時の技術力の高さも再認識しました。
現存する2つ紐を調査した結果、鞆渕組は中尊寺組と同一の組織を持つ組紐であると判明しました。同じ平安時代に、遠く平泉の地にある中尊寺組と同一の組織を持つ組紐が和歌山の地にも存在することを証明する貴重な組紐でしょう。
計8本を復元し鞆渕八幡神社に納めさせていただきました。

 

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